突然ですが、あなたはこんな言葉を聞いたことがありますか?
『GKの声は”神の声”』
GKはポジションの関係上、最後方で味方や相手の動きを見ることができるため、GKの声、すなわちGKのコーチングは神の声だと言われています。
しかし、このようにGKのコーチングが大切だと分かっていながらも、次のような悩みを抱えていませんか?
「味方が自分の言ったことを聞いてくれない・・・」
「寄せろ!右切れ!クリア!くらいしかバリエーションがない・・・。」
「そもそも何と言えばいいのかが分からず、コーチングできない・・・。」
なかなか満足のいくコーチングができず、味方からの信頼を失ってしまったという選手もいるでしょう。
そこであなたに意識して欲しいのが、この記事でもお伝えする「コーチングの6つのポイント」です。
●コーチングの6つのポイント
- ボリュームとトーンを意識する
- ゴールに近いところから指摘する
- 出来るだけ短く・ハッキリ言う
- 名指しで言う
- ベストなタイミングで言う
- 同じ状況を作らせないための打ち合わせをする
上記のポイントを意識するだけで、今までうまくできなかったコーチングもスムーズになります。
また、その結果として味方との信頼関係も、より良好になっていくでしょう。
今回の記事では、そんなコーチングの6つのポイントを細かく解説いたします。
ぜひ、この記事を参考に、試合で使えるコーチングを身につけてくださいね。
それではまいりましょう!
この記事の目次
GKがコーチングでチームを勝たせるために必要なのは「味方との信頼関係」
ところで、あなたはGKがコーチングでチームを勝利に導くのに、何が必要だと思いますか?
人それぞれ、いろんな意見があるかと思います。
しかし、僕はGKが優れたコーチングを実行するには、次のふたつが重要だと思っています。
●優れたコーチングを実行する前に必要なこと
- 味方から信頼されているかどうか
- GK主体の思考になっているかどうか
それぞれ詳しく解説いたします。
1.味方から信頼されているかどうか
GKが優れたコーチングをしていくなら、GK自身が味方から信頼されているかが大切です。
なぜなら、GKがどれだけ内容の詰まったコーチングをしても、味方から信頼されていなければ、コーチング通りに動いてくれないからです。
例えば、普段から次のようなことを実践して、味方と信頼関係を築いておくことが必要です。
- 練習の合間に「次はこうしてほしい」などの打ち合わせをする
- サッカー以外の時間もチームメイトと接する時間を作る
- 普段から本音でコミュニケーションを取っておく
信頼関係の構築は時間がかかるもの。
すぐに何とかしようとするのではなく、時間をかけてじっくりと積み重ねていきましょう。
2.GK主体の思考になっているかどうか
優れたコーチングができるGKは、受け身ではなく主体的な思考・考え方を持っています。
なぜなら、GKはコーチングによって味方を動かし、図のように、意図した通りに相手を動かすことができるからです。
例えば、コーチングが得意なGKと苦手なGKの思考の違いは次の通りです。
主体的なGKの考え方 | 受け身なGKの考え方 |
シュートは打たせるもの | シュートは打たれるもの |
パスは出させるもの | パスは出されるもの |
ドリブルはさせるもの | ドリブルはされるもの |
もし、コーチングによって試合を勝利に導きたいと思っているのであれば、受け身ではなく、能動的な(自らが相手を誘導するという)考え方を持ってみてくださいね。
ところで、あなたはGKのコーチングの目的は何だと思いますか?
一般的に、GKのコーチングの目的は次のふたつだと言われています。
●GKのコーチングの目的
- 相手のボールを奪い攻撃につなげること
- 味方の士気を高めること
ここからは、上記ふたつの目的を果たすうえで、GKがコーチングの際に意識して方がいいことをお伝えします。
まずは、失点の可能性を減らすためのコーチングからお伝えしましょう。
相手のボールを奪うためのコーチングのやり方|6つのポイントを意識しよう
相手のボールを奪うために、GKがコーチングで意識するべきポイントは次の6つです。
●コーチングで意識するべきポイント
- ボリュームとトーンを意識する
- ゴールに近いところから指摘する
- 出来るだけ短く・ハッキリ言う
- 名指しで言う
- ベストなタイミングで言う
- 同じ状況を作らせないための打ち合わせをする
それぞれ解説いたします。
1.ボリュームとトーンを意識する
GKが味方に対してコーチングをする際、試合の状況に合わせてボリュームやトーンを使い分けるのがおすすめです。
なぜなら、コーチングをする際のボリュームやトーンによって、味方に与える印象が大きく変わるからです。
例えば、チームが危機的な状況下で、強く大きな声でコーチングをすることができれば、味方に危機感を感じてもらうことができ、「あ、もっと強く守備をしなきゃ!」と思ってもらうことができますよね。
いかに声が大きな人でも、90分間ずっと大声を出し続けることはできません。
いつ、どのくらいのボリュームで、どんなトーンでコーチングをすれば、味方にとって良い影響を与えられるのかを考えてみましょう。
2.ゴールに近いところから指摘する
味方に対してコーチングをする場合、できるだけゴールに近い場所(失点に直結しやすい箇所)から指摘していくようにしましょう。
なぜなら、ゴールから遠い場所に対してどれだけ大きな声でコーチングをしても、味方には聞こえていないことがほとんどだからです。
また、味方がそのコーチング通りに動いても、相手陣地では数的不利なことが多く、ボールを奪えないことが多いです。
よって、GKはボールウォッチャーになるのではなく、DFラインや自陣ゴールに近いところを観察し、最適なコーチングをすることが必要なのです。
3.出来るだけ短く・ハッキリ言う
GKは味方に対してコーチングをする際、出来るだけ短く・ハッキリとした言葉を使う必要があります。
なぜなら、試合中、味方は必死に走っていますので、長文でダラダラと指示を出されても聞こえづらいからです。
他にも、聞き取りやすいコーチングと、聞き取りにくいコーチングを一覧で出してみました。
ぜひ、自分のコーチングを見直すキッカケにしてくださいね。
●聞き取りにくいコーチングの特徴
- 滑舌が悪い
- ダラダラと喋る
- 同じことを何回も言う
- 声の音が低い
●聞き取りやすいコーチングの特徴
- ハッキリと喋る
- 短く簡潔に喋る
- できるだけ高い音で(叫び声などの高い声は聞き取りやすい)
4.名指しで言う
GKが味方にコーチングをする際、できるだけ味方の名前を呼ぶようにしましょう。
というのも、「おーい!マークつけ!」などのコーチングでは、具体的に誰がマークにつけばよいかが分からないからです。
名指しなしのコーチングはある意味、無責任な発言とも言えます。
誰がどの選手にマークをついた方がいいのか、責任を持って名指しでコーチングしましょう。
5.ベストなタイミングで言う
「キーパー!」や「クリア!」などの『GKがプレーするかどうか』のコーチングは、味方がプレーしやすいタイミングで言いましょう。
というのも、ロングボールなどに対して、味方がヘディングをするギリギリのタイミングで「キーパー!」と言われても、とっさにプレーを変更できないからです。
また、ギリギリになってGKが飛び出すことを伝えると、味方はゴールのカバーや相手選手のブロックが遅れてしまいます。
味方が最もプレーしやすいベストなタイミングで声をかけることを意識しましょう。
6.同じ状況を作らせないための打ち合わせをする
試合中、GKのコーチングに対して、味方が完璧に動いてくれることはありません。
例えば、「寄せろ!」と言ったとしても、十分に寄せきれずシュートを打たせてしまうこともありますよね・・・。
このように、何か試合中にGKと味方の間で上手くいかないことがあった場合、アウトオブプレーになったタイミングで、味方の元に駆け寄り、打ち合わせをしておきましょう。
「今のシーンはもっと寄せてくれ」
「今のバックパスはこっちの足に欲しかった」
「今の相手のドリブルは中じゃなくて縦に行かせてくれ」
このように、プレー中だけでは伝えきれないことは、プレーが切れた時に積極的に味方に伝えるようにしましょう。
そうすることで、次に同じようなミスが起こることを減らすことができます。
味方の士気を高めるためのコーチングのポイント|いつどんなことを言えばいい?
GKの「声」の役割はなにも、戦術的なことだけではありませんよね。
試合中、味方の集中力やモチベーションが低下したときに、叱咤激励するような声かけをする必要があります。
では、GKが味方を叱咤激励する際、いつ・どんなことを言えばいいのでしょうか?
●GKの叱咤激励が必要なタイミング
●叱咤激励のための言葉 普段なら、口にできないような恥ずかしいセリフ
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上記のように、味方の集中力やモチベーションが低下するタイミングで、普段は恥ずかしくて言えないようなセリフを言えるメンタリティこそ、GKに必要な資質だと言えます。
●YouTubeチャンネル始めました
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