突然ですが、あなたが使っているGKグローブは自分の手に合っていますか?
もしかすると、中で手がずれたり、少しブカブカで手に合っていない・・・という方もいるかもしれません。
自分の手に合っていないグローブを使っていることで、試合でキャッチミスをした・・・なんてこともあるかもしれませんね。

そんなあなたにこそ、知っていただきたいのが「GKグローブの正しい選び方」です!
というのも、GKグローブには色々と種類があり、自分に合っているものがどれなのか分かりにくいからです。

今回の記事では、GKグローブを購入するときの正しい選び方について、いまSNSで話題沸騰のGKグローブメーカー、RG Goalkeeper Gloves Japan代表の廣野さん・木島さんにお話を伺ってきました。

インタビューの中で、GKグローブのプロフェッショナルだけが知っている「GKグローブ選びの真実」を教えていただくことができましたよ!
ぜひ今回の記事を参考に、今後のGKグローブ選びを充実させてもらえると幸いです。

それではまいりましょう!




今回の登場人物

 

廣野

廣野 立樹さん
RG GK Glove Japan CEO(代表)

木島

木島 隆一郎さん
RG GK Glove Japan 取締役
九州産業大学サッカー部GKコーチ、GK College 代表

甲斐

甲斐龍之介
当サイトの運営者、GKコーチ

GKグローブメーカーが語る「GKグローブの選び方」とは?用途やサイズ感、機能性について

甲斐

木島さん、廣野さん、今日はよろしくお願いします。

木島

よろしくお願いします。

廣野

よろしくお願いします。

甲斐

早速ですが、 GKグローブって種類が多くて、どれを選んだらいいか分からないという選手が多いですよね。
メーカー視点でグローブの選び方ってどうするのが理想でしょうか?

廣野

はい、GKグローブの選び方ですが、次の3つに分かれます。

 


●GKグローブの選び方

  1. 用途に合わせる
  2. グローブごとにサイズを変える
  3. 自分に合った機能がついたものを使う

 

1.用途に合わせる

廣野

まず、GKグローブ選びで大切なのは、用途に合わせるということですね。

甲斐

ほう、用途・・・。

木島

一般的にGKグローブは練習用や試合用で次のように使い分けられています。

 

グローブのクラス特徴
練習用
(土や人工芝)
〜5,000円耐久性が高いモデル
練習試合
(人工芝)
5,000円
〜10,000円
耐久性とグリップを重視
チップで汚れるので、黒パームがおすすめ
公式戦
(人工芝や天然芝)
10,000円〜耐久性よりもグリップや掴みやすさ重視

 

甲斐

確かに、GKグローブって、同じメーカーの中でも5,000円くらいのものから、15,000円くらいするやつがありますね。
それを使い分けると。

廣野

そうなんです。
これからグローブを使うグラウンドや天候によって、使い分けるのが一般的です。

甲斐

一般的・・・?
では、木島さんと廣野さんは少し違う意見を持っているということでしょうか。

木島

はい、もちろん試合用や練習用で使い分けるというのはアリなのですが、本心としてはGK本人の性格に合わせてほしいですね。

甲斐

GKの性格ですか・・・!?

廣野

先ほど、練習では安いグローブで、試合では高いグローブをつけるのが一般的だとお伝えしました。
ですが、それが当てはまるのは「練習と試合で別のグローブを着けても気にしない選手だけ」なんですよね。

甲斐

なるほど。
つまりこういうことですね。

 


●RG GK Gloves Japanが考えるGKの性格とグローブ選び

  • 練習用と試合用のグローブが別でも気にしない選手
    練習用は安いグローブ、試合用はハイクラスのグローブ
  • 練習用と試合用が別だと気になる選手
    練習も試合もできるだけ似たグローブをつける

 

甲斐

確かに、僕も現役時代、試合と練習でグローブの使い心地が違うと気になってしまうので、同じグローブを使っていましたね。

木島

意外と気にしいですね(笑)
でも、些細なことではあるんですが、GKのプレーってちょっとしたことで決まるじゃないですか。

甲斐

確かに。

廣野

例えば、試合の時につけるグローブのグリップがあまりに良すぎると、パントキックのトスの時に手からボールが離れないことがあるんですよ(笑)

甲斐

それ、あるあるですね。(笑)

木島

公式戦、ましてや重要な試合でそれをやってしまうと、取り返しのつかないことにもなるので、練習と試合は着け心地やグリップ感覚が似たグローブをつけると良いですね。

2.グローブごとにサイズを変える

甲斐

続いての選び方が「グローブごとにサイズを変える」ということですが、これはどういうことでしょうか?

木島

はい、その前に聞いておきたいのですが、甲斐コーチが普段使っているグローブのサイズは何号ですか?

甲斐

ええと、8号ですね。

木島

実は、その決め方があまり良くありません。

甲斐

え・・・!?

廣野

実は、GKグローブは同じメーカーの物でも、カッティングによって微妙にサイズ感が違うんです。

甲斐

そうなんですか・・・?

木島

はい、例えば、内側で縫製しているもの(内巻き)と、外側で縫製しているもの(外巻き)のものでは、若干内巻きのグローブの方が小さく感じます。

 

廣野

うんうん。

甲斐

なるほど、ではそのグローブのカッティングごとに、7号をつけるべきなのか、8号をつけるべきなのか使い分けることが重要なんですね。

木島

その通りです。

廣野

もちろん、カッティングが違ってもサイズ感が同じグローブメーカーもあるんですが、できればカッティングごとに自分の手に合ったサイズを着けるのが理想ですね。

3.自分に合った機能がついたものを使う

甲斐

続いて、「自分に合った機能」ということですが、これはどういうことでしょうか?

廣野

はい、GKグローブを選ぶときは、できるだけ自分が試合で必要とする機能がついたものを選んで欲しいですね。

甲斐

機能ですか・・・?

廣野

はい、例えば、最近のグローブには次のような機能がついていますよね。

 


●最近のGKグローブに備わっている機能の事例

  • フィンガーセーブ
  • ダブルロール
  • 中ズレ防止の滑り止め

 

甲斐

なるほど、こういう機能も、自分のプレースタイルや体の特性に合ったものを使うということですね!

木島

そういうことです。
例えば、指が逆に曲がるのを防いでくれるフィンガーセーブですが、某プロ選手はフィンガーセーブがあることで指の骨を怪我したという話もあるんですよ。

 

甲斐

え・・・?
フィンガーセーブが逆に怪我を招いてしまったんですか?

木島

はい、フィンガーセーブって突き指を防ぐ反面、その硬さによってキャッチングやパンチングがしにくくなりますよね。

甲斐

はい。

木島

それが原因で怪我をしてしまったそうなんです。

甲斐

恐ろしい・・・。

廣野

小学生や中学生など、まだ骨が頑丈でない年代であれば、フィンガーセーブはおすすめです。
しかし、高校生や大学生、プロであれば、フィンガーセーブがないものの方がいいのかなと思っています。

甲斐

なるほど。

廣野

ちなみにRGのグローブには、一部フィンガーセーブが付いているものもあるんですが、着脱が可能になっています。

 

甲斐

すげぇ・・・。
これなら、フィンガーセーブが入っているからと言って、欲しいグローブを諦めなくて済みますね!

廣野

そうなんです。
あと、似た話で言うとダブルロールもそうですね。

甲斐

ダブルロールってなんですか?

廣野

グローブの手首のバンドのロール数のことなんですが、オーソドックスな1回巻きのものに加えて、最近は2回巻きのものがあるんです。

甲斐

・・・!

廣野

ただこれも、手首の太い選手ともなると、締め付けが強すぎて窮屈になっちゃうんですよね。
実際、うちで契約させてもらっているプロ選手の皆さんは、ダブルロールよりも、シングルの方を好んでいますよね。

甲斐

へぇ〜。

木島

プロのGKの皆さんは、手首と腕が太すぎる・・・!(笑)

甲斐

ムキムキですよね(笑)

甲斐

あと中ズレ防止っていうのはなんでしょうか?

木島

中ズレ防止機能っていうのは、グローブの内側についているグリップ機能のことですね。

甲斐

・・・?

木島

例えば、RGのグローブの内側を見てほしいんですが、透明な接着剤みたいなものがついてますよね?

 

甲斐

確かに・・・!

木島

この素材が手とグローブのズレを防いでくれるんです。

廣野

めちゃいいよね、コレ(笑)
実際に着けたらわかりますよ。

甲斐

やば・・・!!
手とグローブが密着してます(笑)

 

廣野

そうなんですよ。
この機能があれば、手に汗をかきやすい選手でもボールを確実にキャッチできるんです。

甲斐

なるほどなるほど。
僕も手汗をかきやすいタイプなんで助かります。

廣野

結局、グローブって自分の体に装着するものですよね。
けれど、人の体ってみんなそれぞれ違うじゃないですか。

甲斐

そうですね。

廣野

だから、自分の性格や体質、手の大きさやなど、自分に合ったものをつけてもらうのが理想ですよね。

甲斐

めちゃくちゃ勉強になります。

余談ですが、廣野さんがRG GK Glovesを輸入しようと思ったのはどうしてですか?

廣野

はい、僕とRGを一緒にやっている木島が、もともとGKスクールをやっていて、ヨーロッパとつながりを持っていたんですね。
その関係でRG本社代表のラミロと繋がったのがキッカケです。

木島

2年ほど前にRGのサンプルのグローブをもらったんですが、めちゃくちゃ良くて。
コレ日本人のGKにも合うんじゃないかと思ったのが始まりですね。

甲斐

なるほど、良いグローブだったからこそ広めたいと思ったんですね。

木島

はい、実際にRGが日本市場に出回ってから2年経ちますが、一度使ってくれた選手は「今後はRGを使います!」と言ってくれていますね。

廣野

本当にありがたいです。

甲斐

なるほど。
ところで、元々は日本になかったRGが爆発的に日本で広まったのはどうしてですか?
最初は知名度もほとんどなかったと思うんですけど。

木島

・・・。
ワンハンドキャッチかな?(笑)

廣野

ワンハンドキャッチやね。(笑)

甲斐

・・・?

木島

この動画を見てみてください。

甲斐

おお・・・!
これ、廣野さんがキャッチしているんですか?

木島

そうなんです。
この動画のインパクトが強くて、SNSで一気に拡散しましたね。

甲斐

確かにこれはインパクトありますね。
けど、何でこの動画を撮ろうと思ったんですか?(笑)

廣野

確か、海外で片手キャッチしている動画があったんですよね。
で、それを見て「いけるんじゃない?」と思ったのがキッカケです。

甲斐

これ、いきなり出来るものなんですか?

廣野