「強いチームが相手だとシュートを止められない・・・。」
「キャッチングなどの技術には自信があるけど、試合になると本領発揮できない・・・。」
「シュートを止められるようになってスタメンを掴みたい・・・!」
あなたはGKとしてプレーをする中で、このように考えていませんか?
GKにとって、シュートストップはメインの仕事。
しかし、そんなメインの仕事を満足にこなせないと、落ち込んでしまいますよね。
実は、GKがシュートストップ率を高めるためには、キャッチングやダイビングなどの技術的な部分だけでなく、準備にも目を向けることが大切です。
なぜなら、どれだけキャッチが上手いGKでも、ポジションが悪く、キャッチできる範囲にボールが飛んでこなければ一度でボールを掴むことができないからです。
実際、僕がこれまで指導してきたチームでも、準備の部分を改善するだけでシュートを止められるようになったGKは多いです。
そこで、今回の記事ではGKのシュートストップ率を高めるために、意識するべきポイントをお伝えします。
この記事がキッカケであなたがシュートをもっと止められるようになると幸いです。
それではまいりましょう!
この記事の目次
シュートストップ率を高めるために重要なことは準備
シュートストップ率を高めるために、キャッチングやダイビングのトレーニングをこなす選手は多いですよね。
確かにGKが技術的なトレーニングを行うことは大切です。
ただ、キャッチングやダイビングなどの、「ボールへのプレー」ばかりトレーニングしても、シュートストップ率を高めることはできません。
なぜなら、シュートをキャッチできるか・ダイビングで弾けるかどうかは、「プレー前の準備」で決まることが多いからです。
例えば、どれだけ遠くにダイビングが飛べる選手でも、ポジションがずれていて、どちらか片方のシュートコースががら空きではシュートを止められませんよね。
この後に具体的な方法をお伝えしますが、シュートストップ率を高めたいと思うのであれば、「ボールへのプレー」だけでなく、「プレー前の準備」もトレーニングしましょう。
シュートストップのときに気をつけるべきポイント(キーファクター)
先ほどもお伝えしたように、GKのシュートストップ率を高めるためには、プレー前の準備にも気をつける必要があります。
ここからはそんな、試合中にGKがシュートを止めるためにどんなことに気をつけるべきポイント(キーファクター)をお伝えします。
●シュートストップで抑えるべきキーファクター
- 適切な移動方法とそのスピード
- 適切なポジショニング
- 構えるタイミングとその姿勢
- プレーの判断・決断
- 安全確実なプレー
- DFとの連携
それぞれ詳しく解説いたします。
1.適切な移動方法とそのスピード
シュートストップ率を高めるために抑えるべきポイント、ひとつ目は「適切な移動方法とそのスピード」です。
「え・・・そこから?」と思いますよね。
ただ、先ほどもお伝えしたように、GKのプレーの成功は「プレー前の準備」にかかっています。
そのため、ポジショニングや構え、キャッチングよりも、もっと前の段階から良い準備を心がける必要があるのです。
GKはシュートストップをするために、適切なポジショニングに入るわけですが、そもそもシュートが打たれるまでの間にグッドポジションに入らなければなりません。
そこで、意識していただきたいのが、「移動方法とスピード」です。
具体的には、次の点を意識してみてください。
- ステップワークを使い分ける
現在位置から適切なポジションまでの距離感に応じて、サイドステップを使うのか、クロスステップを使うのか判断する - できる限り速く移動する
シュートを打たれる前に良いポジションに入り、構えられるよう、出来る限り速いスピードで移動を行う。
特に、ステップワークについてですが、ゴール中央からサイドにポジション修正をするのと、サイドから逆サイドにポジション修正をするのとでは、移動距離が違います。
このとき、サイドステップのような移動スピードが遅い移動方法を使ってしまうと、シュートまでにポジション修正や構えを完了できないことがあります。
GKがポジション修正をするときの移動方法は、移動距離に応じて使い分けてみてください。
ちなみに、GKのステップワークの使い分けや意識するポイント、具体的なトレーニング方法については、「GKのステップワークのやり方と練習方法」の記事で解説しています。
こちらもあわせてお読みください。
2.適切なポジショニング
続いてお伝えするキーファクターは「適切なポジショニング」です。
シュートストップのポジショニングで抑えるべき点は下記の通り。
シュートコースが左右均等になる位置に立つ
シュートコースにウイークポイント(弱点)を作らないよう、ゴールの中心とボールを結んだ線上を意識し、シュートコースが左右均等にする。
前に出てシュートコースを狭める
頭上を狙われない程度に前に出て、シュートコースを狭め、シューターに視覚的なプレッシャーを与える。
ちなみに、GKのポジショニングの取り方や、具体的なトレーニング方法については、「GKのポジショニングの取り方と練習方法」の記事で解説しています。
こちらもあわせてお読みください。
3.構えるタイミングとその姿勢
続いてお伝えするキーファクターは「構えるタイミングとその姿勢」です。
良いポジションに入ることができても、シュートに対していつでも動き出せる状態(姿勢)を作っていなければ、シュートには反応できません。
良いキャッチング・ダイビングをするためにも、360°どこにでも動き出せる構えを意識しましょう。
●GKの基本的な構え方のポイント
- 肩幅よりやや広く脚を開く
- つま先とヒザをボールに向ける
- 横から見たとき、つま先とヒザ、肩を一直線上にする
- ヒジを軽く曲げ、手を体の中央に置く
- 背筋は伸ばし、頭を固定する
また、シュートに対して爆発的な動き出しを行うためには、良い構えだけでなく「プレジャンプ」も重要です。
プレジャンプのやり方や練習方法は「GKの基本姿勢(構え)とプレジャンプのやり方は?」の記事で解説しています。
こちらもぜひ読んでみてください。
4.プレーの判断・決断
続いてお伝えするキーファクターは「プレーの判断・決断」です。
良いポジションに入り・良い構えができて、ようやく「ボールへのプレー」を行う段階です。
ただし、まだボールに触れる段階ではありません。
ゴールに向かって飛んでくるボールに対して、どんなプレーを行うのか、判断・決断をしましょう。
●プレーの判断軸
- スタンディング(立ってプレーを行う)orダイビングの判断
- キャッチングorディフレクティング(弾く)の判断
- オーバーハンドキャッチorアンダーハンドキャッチの判断
- 両手で弾くor片手で弾くかの判断
このように、ゴールに向かってくるボールに対して、GKがどんなアクションを起こすのか、その判断は様々です。
その場その場でベストな判断を行いましょう。
5.安全確実なプレー
続いてお伝えするキーファクターは「安全確実なプレー」です。
ひとつ前の「プレーの判断」のパートで、これからどんなプレーをするのか決断したら、安全確実なプレーを行います。
ちなみに、ここで言う「安全確実」には、次の意味が含まれます。
- 味方のピンチを招かない意味での安全確実
味方のピンチを招かないためにも、「一度で確実にキャッチする」「相手選手がいないところへ弾く」 - GK自身が怪我をしないという意味での安全確実
怪我をしないために、「ダイビング時の着地に気をつける」「突き指をしないためにキャッチングの手の形に気をつける」
ちなみに、安全確実なプレーをするためのノウハウは、下記の記事にて解説しています。
こちらもぜひお読みください。
6.DFとの連携
最後にお伝えするキーファクターが「DFとの連携」です。
「DFとの連携は、そもそもシュートを打たせないためにするべきことだから、最初に抑えるべきことじゃないの・・・?」
もしかすると、あなたはこのように思うかもしれません。
しかし、DFとの連携を最後にお伝えするのには理由があります。
というのは、GK自身がポジショニングや構え、キャッチングを満足できないのに、DFに対して「あーだこーだ」指示を出しても、もしシュートを打たれたときに失点してしまうからです。
なんと言ってもGKの仕事はシュートをキャッチし、攻撃につなげること。
そのため、まずGK自身の技術・戦術を高めることが大切です。
GK自身のことができた上で、DFに対して「どのように指示を出すのか?」ということを考えると良いでしょう。
ちなみに、相手選手がシュートを打てるエリアにいるときに、GKがコーチングで心がけることを下記の通りです。
- シュートを打たせないこと
- シュートコースが狭い地点(サイド)からシュートを打たせること
- 次に同じシチュエーションを作らせないこと
もしも試合中にGKとしてどんなコーチングを行えば良いかが分からないという場合は「GKのコーチングのポイントとやり方」という記事もお読みください。
実践形式で身につける!GKのシュートストップ練習方法
ここまで、GKがシュートストップ の時に気をつけるべきポイントをお伝えしました。
ここからはそのポイントを身につけるためのトレーニング方法をご紹介します。
●シュートストップの練習方法
- ポジションニングからシュートストップ
- 3vs1+GK
それぞれ詳しく解説いたします。
1.ポジションニングからシュートストップ
●このトレーニングのポイント
- 移動距離に合わせてサイドステップとクロスステップを使い分ける
- 移動中にボールの位置やポスト、PKマークを見て位置を把握する
- 左右均等かつ相手にプレッシャーをかけられるポジションを取る
- 距離感に応じた構え方とキックのタイミングに合わせたプレジャンプ
このトレーニングでは、あらかじめ設置されたコーンに対して、ポジションをとります。
その後、キッカーの合図がかかったら、ポジション修正・シュートを受ける形です。
記事内でお伝えしたように、最初に立った位置から、ポジション修正後の位置までの移動距離に応じて、ステップワークの使い分けを行うようにしましょう。
また、ポジショニングはもちろんのこと、ボールに対してどのプレーを選択するのか、その判断・決断も磨くようにしてくださいね。
2. 3vs1+GK
●このトレーニングのポイント
- DFと連携を行いならが自分が有利な状況を作る
- パスが出たら素早くポジション修正を行う
- 相手選手の1stタッチの瞬間にはどこにでも動ける構えを作っておく
- ポジションやキャッチングなど、基本的なプレーも大切にする
- プレー中に上手くいかないことがあったら、プレーが切れた時に味方とコミュニケーションを取る
こちらのトレーニングは、ひとつ目のトレーニングより実践に近づけた形式となります。
フィールドプレイヤーの選手は黄色の枠線の中でプレーをするように設定しましょう。
自分自身の準備やプレーはもちろんのこと、味方と連携して「打たせない」ためのコーチングも行ってみてください。
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